そこに書かれていたのは、とても不思議な日本語でした。
教科書のような、普通の書籍のような……何の本かわからない。確かに日本語で書かれていて、1つ1つの文章全体は日本語としては筋が通る。ただ、文章の中に存在している漢字で書かれた固有名詞のような言葉は、漢字の読みからは想像もつかないようなルビが振られていました。そのため、日本語ではあるけれど、その意味がわからないという不思議なものでした。
そんなところからはじまる夢を見ました。
夢なので、オチはありません。
その不思議な文章を何回か読んでみると、言葉の1つ1つが何かヒントのように思えて、読み込めばそれが何を意味するのかわかるような気がしました。しかしその場の総意で、まずはそれを書いた人物に会って確実にその文章の意味を知るということに決まりました。
ここでシーンが変わります。次は、木造駅舎を出たところからはじまります。
駅前はすこし寂れた感じのするところで、正面と右手にかなり年季の入った木造の建物で建物がありました。正面の建物は旅館風で、1階部分がなにかの店舗のような……小売店のようなものではなく、何かを展示していそうなところでした。右手の建物は1階部分が郵便局になっており、ここに不思議な日本語を書いた人物を知る老人がいるということで、その老人にその人物がどこにいるのかを聞くためにここに来たのでした。
老人は少し気難しい印象のする人でしたが、親切にその人物のいる場所を教えてくれました。曰く、ここからだと歩いていくのは遠すぎるので、車で行くといいとのこと。ちょうど駅と郵便局の間にある道を行くといいそうなので、そこからタクシーで移動することになりました。
ここでまたシーンが変わります。
3つ目のシーンは普通の街中。商業ビルなどが立ち並ぶような駅前の商業地のようなところでした。さきほどの老人に詳しい地図を書いてもらったので、あとは地図に書かれた場所に行けば目的の人物に会えそうです。この町自体は初めて来た場所……のはずなのですが、あたかも以前から知っている場所であるかのように足取り軽やかに歩いていきます。
「ここはぬいぐるみや人形を扱う問屋が多いところ」
とか、なぜか知ってる風な、そんなことを話しながらビルの間を抜けていくのでした。そのまま歩いていくと、私の前を歩いていた母親がビルに入っていくので何の疑問も持たずについていきました。階段をあがると、なぜか普通のオフィスに入ってしまい、私の前を歩いていた人物をよく見ると全然知らない人。どうやら間違えてしまったようです。そそくさとそこを立ち去り、階段を降りてくる私のことを、なんでそんなところに入っていったの?みたいなキョトンとした顔で見ている母親に対して、私は恥ずかしさを必死に隠しながら適当にごまかしていました。
起きてから気付きましたが、この3つめのシーンで唐突に母親が登場しています。それまでは一緒に存在していた人物はいたと感じていますが具体的にそれが誰なのかというのは記憶にありません。自分自身がまわりにいた人物たちを誰それと認識していた覚えも無く、顔自体も顔があったかどうかさえわかりません。感覚としては生きているマネキンのような感じ? それが、さきほどのビル群のあたりから、一緒に行動する登場人物が家族や親類になってしまったようです。それにあわせてか、目的地の様子が少しおかしくなりました。
さきほど間違えて入ったビルを出てビル街を抜けると、広い交差点に出ました。その交差点を渡ると正面にあるのが目的地です。そこはデパートのような建物でした。念のため書いてもらった地図を確認すると、確かにここでした。不思議な日本語を書いた人物はそのデパートの4階にいるらしいので、中に入り、少し歩いてエレベーターのところまで行きまして…………
ここで目覚ましが鳴り、目が覚めました。
その時の私の気分はまさに、
_| ̄|○ あとちょっとだったのにっ……!
こんな感じ。
6時半から7時の間に見た夢にしては、内容は濃かったんじゃないかと思われ。