そんなことしてたので、3月後半は更新が滞ってたりしてたり。
ITILは“ITサービスマネジメントにおけるベストプラクティス(成功事例)をまとめた書籍群”(Wikipediaより)で、運用を考えて実施するにあたってこのITILの考え方などをうまく活用すると、みんなの意識あわせもできるし、成功しやすいよね、というもの。運用屋さんにとっては知ってて当たり前だそうで。
流れ。
2008年7月 仕事で運用関連に携わる(といっても運用そのものをやるわけじゃない)。ITILの勉強を薦められたので、してみる。
2008年7月 ほどなく作業優先度が変わり、別の作業にしばらく携わることに。
2008年8月 せっかくだからITILの試験でも受けようかなと準備は進めていたが、それどころじゃなくなって、気がついたら夏が終わってた。
2008年9月 下旬には公私の“私”が落ち着いたものの、空白期間があったことと、運用のことは10月に入ってからだったので心が緩みまくる。
2008年10月〜11月 準備してるヒマが無い(※)。
2008年12月 運用関連の仕事が終わって別の作業に移る。そろそろ試験のこと考えなきゃと思ってみる。
2008年12月〜2009年3月 でも準備してるヒマが無い(※)。
2009年3月 ……とかやってるとどうも年度内に受験するの無理そうだったので、仕方なく1週間だけ“私”を試験準備に割り当てる。
※ 個人的に公私の“公”を“私”に持ち込みたくないので、できることなら仕事上の資格試験(と準備)は仕事中にやりたいという思いがある。よって、公私の“私”がヒマでも、“公”が忙しくて手を出せないと「準備してるヒマが無い」になる。人によっては「ハァ!?」と思うかもしれない。自分でもわがままに近いこだわりだとは思ってる。仕事ならともかく、資格はそもそも仕事(会社)のためじゃなくて自分のためのものなのだから、そこは切り離すべきだとも思ってる。
もともと試験に合格することが目的ではなくて、ITILを理解して仕事に組み込むことが目的なので試験対策本ではなくITILをきちんと解説してるものを選んでみた。……というのは建前で、会社が購入してくれる本がこれだったというだけですが、実際読んでみて仕事に使って試験対策にも使った本なので、これからITILに手を出そうとする人がいたら参考になるかなぁと紹介してみた次第。
まぁ、安い本ですから、中身は値段相応ですけれども。
ITILの認定資格はEXINとISEBが仕切っており、プロメトリックなどの試験業者を利用して試験を受けることになります。今回のITIL Foundation はEXIN側のものを受験しました。受験したのは、ITIL V2のほうです。現在はITIL V3がありますが、現場での現行の主流がまだV2とのことなのでV2を選択。
結果としては合格。正答率が85% (40問中34問)でした。
6問ほどどちらかなぁと最後まで悩んでいたので、数的に合ってるか (自信のあった問題のいくつかが間違ってる可能性大)。
巷では、「質問文の日本語が(変な訳で)難しい」と評価されてますが、特にそれは感じなかったです。見る人が見ればそうなのかもしれません。試験の難易度的には、簡単なほうに入ると思います。たいした準備もせずに受けてますし。簡単かどうか難しいかどうかの基準が人によって違うかもしれませんから一概には言えないのかもしれませんが、要点を抑えれば受かるとか、普段運用に従事してるから無勉強でも受かるとか、その手を基準にしていればおそらくその人にとっては「難しい」と感じると思います。
たとえば、
「ITILにおいて戦略的なXXXは次のうちどれか。」
という問題が出たりします。戦略が戦術に変わってたりとか。
「XXXを行うのは誰か」とか「どのプロセスか」とか「XXXプロセスのどの作業か」とか、そういう、用語などの違いをきちんと把握してないと、「えー、どっちだったっけ?」となる問題がそれなりに多く混じってる。なので、その前提で一通り勉強して抑えておけば簡単なのだけれど、重要そうなところだけピックアップして覚えていたりすると苦労するわけです。
そんな御託はとりあえず置いといて、今回のITIL Foundationで使用した書籍は、
・「要点解説 ITILがわかる!」(技術評論社)
・「ITIL教科書」(アイテック)
実際にどう使ったかというと、
・「要点解説 ITILがわかる!」(技術評論社)
2008年の7月に読んだのですが、研修を兼ねているので重要ポイントをまとめて会社に提出しないといけない……ということで、読みながら重要なところをピックアップするという作業をしているうちに、20時間くらい費やしたのではないかと。専門書とはいえ、200数十ページの本を読むにしては時間をかけすぎてると思います。ピックアップなんて適当にやればいいんだけど、変なところで生真面目なのです。この時は試験は意識せずに、とにかくITILとは何ぞやを理解するために読んでました。
・「ITIL教科書」(アイテック)
こちらも研修を兼ねているのでやり方は一緒。ただしいろいろあって中断しながら途中までしか読んでなかった。
3月になって試験対策に切り替えてあらためて最初から。
本を読むのではなく、本に書いてあることをまとめるというやり方で勉強した。ただ本読んでるだけだと覚えづらいからねぇ。自分なりにまとめてみないとどうにも。生物化学とか、何ページにもわたって書いてることを、絵にしてまとめれば1ページとかで済むしねぇ。昔からだからクセになってるのかもしれない。過去に受験した人の記録をもとに試験の傾向とどの点に気をつけるべきかを把握し、それをもとにまとめたという感じ。
まぁ、大きい画像使えばいいんだけど、本の文章をそのままコピペとかしてたりするのでさすがに公開できない。
これに費やしたのは、おそらく10〜15時間くらいだと思う。
・EXIN Japanが配布している模擬試験
問題の傾向は見えるので、30分ほど使ってやってみた。
研修として本を読んでた分と直前に試験対策でまとめた分と模擬試験分で、なんだかんだで合計40時間くらいかな。まぁ、余計に時間の食うことしてたし、普通にやったらそんなに時間かからないはずです。
実際ITIL (サービスサポートとサービスデリバリだけですが) を勉強してみて思ったことは、細かい部分や用語は別にして、大筋としては、仕事を通じて今まで身につけたことが多く、確かに知ってて当たり前のことかもしれないということ。0から勉強したら大変なのかもしれないけど、自分にとっては読んでいてすんなり理解できた。用語を覚えることのほうがよほど大変でした。仕事のことだけなら、別に用語なんぞ必要な時に調べることができればよい、と割り切れるのだけれども、試験のことを考えると覚えておかないといけない。大切なのは用語じゃなくて仕組みなんだけどね、と思いながらも、用語を正しくおさえておかないと人との意思疎通がうまくいかないからそれはそれで無駄では無い、なんてことも思いながら渋々と用語を覚えていくのでありました。