3/30(日)に放送された「世にも奇妙な物語 春の特別編」を見ました。春と秋に特番やってるのを、放送終了後に知ることが多くてここのところあまり見ていなかったので、久しぶりです。
今回は以下の短編5つ。
「爆弾男のスイッチ」
「輪廻の村」
「クイズ天国 クイズ地獄」
「真夜中の殺人者」
「ボランティア降臨」
以下、感想。
ある日主人公は、体内に爆弾を埋め込まれているという人物に出会う。彼は同じ大学で同じ講義を受講している人物で、主人公を信頼し、起爆スイッチを預ける。スイッチを押すと爆弾が爆発、周囲3mを巻き込むのだそうだ。ところが主人公に対し執拗に絡んでくる人物が現れ……。
……というお話。
・ボタンを押しても爆発しない
・実は友達でもなんでもなく、ボタンを押すかどうかを調べてる
・金をせびる人物はグル
・真実を知った主人公が逆上して襲い掛かる
……だったら普通の展開だなぁと思いながら見てたら、普通に展開してしまったという。
ドッキリ系の定番な設定と展開だから、先を想像しやすいんだよね。だから逆にそう思わせておいて、実は……みたいな、どんでん返しにどんでん返しを重ねるような展開を期待してたわけですが、残念な結果に。まぁ、ラストのニュースシーンがある種の皮肉になっているのなら、ありっちゃありなのかもしれないけど。
主人公の女性はかつて社会部に在籍していたが、ある事情から現在の部署へ異動していた。そこは怪奇現象を記事にするところで、いまいち仕事にノリきれない彼女は今日も上司にどやされていた。そんな彼女のもとに、ある呪われた村のことで一通の手紙が届く。彼女は興味を持ち、その村へ向かうのだが、そこで彼女は前世の記憶を持つ少年と出会う……。
……というお話。
最初タイトルの「輪廻の村」を見て思ったのは、
・彼女はこの村に訪れるのは何回目だろうというオチか?
ということだった。で、話が少し進んで、
・この村に入ったら最後、二度と抜けられないとか? 死んでもこの村で生まれ変わるみたいな。
・それともこの村では不老不死とか
そんなことも思ったりもしたけど、話が進めば進むほど全然違うことがわかってくる。
村の少女にこの村の秘密を聞かされ、
・あぁ、それで、彼女が恨みの対象というわけか。
と、話が終わりに近づいた段階でオチに気づいた次第。考えすぎた。
オチそのものは、恨まれた彼女が殺されて終わりなのでストレートといえばストレート。殺された彼女が生まれ変われば、メッセージ性が強まって面白かったかもしれない。
主人公は一家の主。昨今のクイズ番組のくだらなさに辟易し、そんなクイズ番組を見ている息子に、くだらない番組を見るなと怒ってしまう。
翌日、出勤途中の駅で突然クイズがはじまった。状況を飲み込めない主人公は人の動きに翻弄され不正解の選択肢を選んでしまう。不正解のために電車に乗せてもらえず、会社に遅れての到着。その後、エレベータに乗るためのクイズ、コーヒーを入れてもらうためのクイズなど彼の行動に常にクイズがつきまとうのだった。
そしてついに彼は自らの人生を左右するクイズに挑戦する……。
……というお話。
・クイズ嫌いに一番つらいのは、クイズですべてが決まる世界だな
・何もかもクイズで決まる世の中で、彼はきっと落ちぶれる
・最後は自分の命をかけてのクイズだろう(事故、事件、裁判、いろんなシーンが考えられるが)
……だったら普通の展開だなぁと思いながら見てたら、普通に展開してしまったという。
これを見せておいた上で、一方でクイズで大成功をおさめる人の映像があったら面白かったかもしれんね。最後にホームレスの座を賭けたクイズ大会で優勝して、成功者なのに転落するっていう。番組構成的に無理だけども。
この話を見ながらふと国民クイズを思い出した。あれ、実写化したら面白いんじゃないかと思うのだけど、ちょっとマイナーすぎるか。
主人公の女性は会社の同僚に交際を申し込まれていた。彼のことは嫌いではないが、どうもパッとしない。そこで彼女は、こう言った。男なら何かデカいことしてみなさい、と。そして彼はついに今夜行動するのだった。バールのようなものを持って……。
……というお話。
・マンションの住民を片っ端から殺しているように見せかけているが、実は明かりのON/OFFのために殺してる (住民に勝手にON/OFFされても困るから)
・マンションの明かりでメッセージ。
・彼が行動しているのは、彼女のマンションの対面の建物。
……だったら普通の展開だなぁと思いながら見てたら、普通に展開してしまったという。
早々にオチが見えてしまうのは、見せ方の問題だろうね。
部屋の明かりを使ったメッセージに感動している女性と凄惨な殺人事件の温度差がいかにも「奇妙」っぽくでよかった。涙目と、裏で聞こえるサイレンの音が対照的。
パート勤めで主婦である主人公は今日も家事を1人でこなしていた。いまいち家族の協力が得られず、1人せわしなく働き、精神的にも徐々に追い詰められていく。そこへボランティアと称する1人の女性が訪れる。彼女は家事全般を主人公に代わってこなし、家族の信頼と感謝を得ていく。主人公は主婦としての負担が軽くなるのだが……。
……というお話。
・だんだんと居場所が無くなり、疎外感&焦燥感
・ボランティアの女性が、主婦ではなくボランティアとして活動している意味を説明
・主婦が最後はボランティアとして出て行く
……だったら普通の展開だなぁと思いながら見てたら、普通に展開してしまったという。
脚本とは別に、大竹しのぶの飄々としたボランティアっぷりが良かったなぁ。見てて、市原悦子が頭に浮かんだ。
さもボランティアとして当たり前であるかのように「夜のお勤め」をするあたり、奇妙な世界の住人と普通の世界の住人とのギャップを感じさせて、かつ普通の世界の住民がだんだんと奇妙な世界に引きずり込まれていく様が見れたのがこの話の良いところかな。
そういう意味では、1つ前の「真夜中の殺人者」は、奇妙な世界と普通の世界が共有しつつ、接点の無いままにその奇妙さと普通さの対比を描いていた、と見ることができるのかな。
「クイズ天国 クイズ地獄」は、普通の世界の住人が奇妙な世界に引きずり込まれて困惑したまま最期を迎えるんだけど、全体を通してなんかわざとらしさを感じる。
「輪廻の村」「爆弾男のスイッチ」はそういうのとはまたぜんぜん違う感じですな。