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ツッコミ日記 Encylopedia


[日記] 2006/07/18 海の日と私 その2 [長年日記]

2023年09月22日 20:45更新

海の日と私 その2

私は小学三年生まで泳ぐことが出来ませんでした。水に対する恐怖心があり、泳ぐどころか水面に顔をつけることができなかったのです。幸い風呂は問題なく入ることもできましたし、顔を洗うこともできたので生活するに困ることはありませんでしたが、たとえば洗髪時や洗顔時に顔が濡れるとすぐ拭い落としてしまうあたりを考えると心のどこかに常に恐怖心があったのだと思います。

泳げるようになったのは水泳教室に通うようになってからです。私が習いごとをしたのはいまのところこれが最初で最後で、小学六年生までおよそ3年間行っていました。

まずやらされたのは子供用の浅い場所で、水に慣れるということ。泳げない人には泳ぎ方を知らない人と私のように水が怖い人の2パターンあり、後者の場合は水と戯れたり、ちょっとだけ顔を水につけたりして慣れることからはじめます。書くのは簡単ですが、当人にとってはそれこそ生きるか死ぬかみたいな気分で、結構大変なものでした。

次第にそれが顔をつけたままで底にある碁石を確認したり、潜って拾ったりということをやるようになります。顔をつけることができても潜ることに対して抵抗があったころは、足の指を使って拾うなんてズルをよくやってました。そんなことを繰り返しながらなんとか水への恐怖心や抵抗感を拭うことができるようになると、やっと水泳にとりかかることになります。

水泳にとりかかると言っても、まずやるのは基本的なこと。しかしこの基本的なことこそが重要であり、これをおろそかにすると後になって「25m泳げない」人になってしまうから、怖ろしい。最初に習う泳法はクロールになりますが、それに至るまでにやることは次のようなこと。

・プールの端を使ってバタ足練習

・けのび

・ビート版を使ってバタ足だけで進む

“けのび”で水に浮くということ、水を進むということ、水中での姿勢を身につける。バタ足をひたすら練習してバタ足のやり方を体で覚える。バタ足ができるようになったら、ビート板を使ってバタ足だけで進む。そんなことをやります。

ビート板を使う場合はまず顔を上げた状態でやります。次に水に顔をつけた状態で練習します。これだと25mは無理なので、5〜10mくらいのところまでを目標に練習することになります。バタ足さえきちんと練習していれば十分な距離です。それに到達できなければバタ足を再度練習したりします。それができるようになると今度は息継ぎを加えて距離を伸ばすことになります。息継ぎ直前に水中で呼気を出し、顔を上げて吸い込み、すぐ水の中へ。この流れを覚えることになります。

これらの段階で手を抜いてしまうと水中で妙な体勢になってしまったり、バタ足が弱くてうまく進めなかったりします。うまく進めなければその分余計な体力を使ってしまうわけで、途中でバテてしまう可能性もあります。特に水中は結構抵抗がありますから、いかにその抵抗を少なくするかというのも技術の1つです。その抵抗を低くするために必要なことがちゃんとした姿勢、ちゃんとした動きによる「ちゃんとしたフォーム」で、これがきちんとしていればそれぞれの動きに無駄がなく、スムーズにできるのです。逆にフォームが悪いと動きのところどころに無理が生じ、うまく泳げなくなります。

話がズレましたが、そうやってバタ足で進むことを覚えたら、やっと腕の動かし方を学ぶことになります。ここではいきなりバタ足を使って腕を回すことを学ぶのではなく、歩きながら腕を動かす練習を延々やります。腕だけの練習です。それが終わればけのび+腕で進む練習をして、泳ぐ姿勢での練習をやります。その後、バタ足と組み合わせることになります。これでやっとクロールとして泳ぐことが出来るようになります。

最初は息継ぎはやりません。息継ぎなしで10〜15mを泳ぐことになります。まずはクロールのフォームを叩き込むわけです。

あとは息継ぎです。ところがここまできちんとやっていれば息継ぎは結構簡単にできます。腕を上げた時にちょこっと横を向けばちゃんと息継ぎができるのです。ところが体が沈んでいたり、妙なフォームになっているとこれがうまくできません。「25m泳げない」理由として息継ぎがうまくできない、という人がいると思います。その原因は息継ぎのやり方が間違っていることを除けば、フォームの悪さが原因なのではないかと個人的には思います。

そんな感じで水泳教室に通い、クロール→平泳ぎ→背泳ぎ→バタフライを学んだところで通うのをやめました。この水泳教室は級の制度を設けていて、試験にパスすると級があがり、次のことを学ぶことになります。そうやって順々に級をあげていってバタフライを25m泳げるようになった次の級からは、4種を組み合わせたメドレーや、さらにタイムを縮めていく、選手への道まっしぐらなコース。私はただ泳げるようになればよかっただけなのでバタフライ25mの時点でやめました。

そのおかげもあってか、体育の先生には水泳だけ一般生徒の“中の上”くらいの評価がされていたようでした。5段階評価で唯一体育の評価が4になる、二学期の通知表。まぁ、泳げるってだけで早いわけではないから仕方なし。

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