問題なのは派遣切りじゃなくて、別にあるんじゃない?
いや、なんていうか、
契約満了→寮の退去→住むところがない
契約中途打ち切り→寮の退去→住むところがない
各メディアは派遣切りに対する文句は言っても、なぜいきなり住むところがないのか、という点をきちんと伝えてないように思える。「金が無いからだろ?」と言われればそのとおりなのだが、私が言いたいのはそこじゃなくて、なぜ金が無いのかを伝えてないということなのであります。伝える伝えないは自由なのでそれはそれでいいのだろうけど、正しく伝えずに偏った伝え方をすると、メディアが何らかの扇動をしているようにしか思えないのであまりいい感じはしないですな。
いずれにせよ、派遣切りをなんとかしたところで、他に根本的なところもあわせて解決していかないと、不景気かどうかに関わらず、“契約を更新されずに次の仕事がすぐ見つからない”状態になった時にまた住むところが無くなるという自転車操業的な人はまた出てくるのではないかと思うのだが……。
そういえば、最近見た記事ではこんな人がいた。
首都圏の大学を卒業
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就職(正社員・研究職)
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研究の成果が正当評価されない
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納得いかずに退社
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派遣社員へ(経歴や経験を問われないから)
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半導体基板製造工場で働く
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11月10日に契約打ち切り宣告。2月20日までの契約が12月10日までとなった。
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11月分の給与明細
総支給額 57120円(出社6日分)
寮清掃費 57601円
差引支給額 0円
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ごらんの有り様だよ!
このニュース自体は派遣切りのところに着目してるけど、私からするとそんなことよりも、なぜ研究職からあえて製造業の派遣社員に? というほうが不思議に思った。正当評価されないことに不満があるなら転職すればいいし、日本の企業はだめだと思ったら外資系にいけばいいのに……と思ってしまう。もしかしたら転職活動中に経験や経歴を問われて惨敗していく中で、たどり着いたのが派遣社員なのかもしれないけれども(仮にそうだとしたら、正当評価されなかったという研究もあやしいものなのだけど)。研究職になれるだけの人間なら、研究職以外にもいろいろと道はあったと思うんだけどねぇ。もったいない。