面白い記事があったので。
・受験と私:第1回 「川を下りながら英単語覚えた」 弘兼憲史さん(漫画家) - 毎日jp(毎日新聞)
・受験と私:第2回「神様は努力を見ているよ」 押見昌純さん(湯島天満宮禰宜=ねぎ) - 毎日jp(毎日新聞)
・受験と私:第3回 「チョコとチーズでストレス発散」 大橋充直さん(検事) - 毎日jp(毎日新聞)
・受験と私:第4回 「得意科目は満点目指した」小菅正夫さん(旭山動物園園長) - 毎日jp(毎日新聞)
・受験と私:第5回 「下見先を間違え、吹雪の中を猛ダッシュ!」 曽田雄志さん(サッカー選手) - 毎日jp(毎日新聞)
・受験と私:第6回 「きちんとトイレに行って力を発揮して」 小林純子さん(建築家) - 毎日jp(毎日新聞)
・受験と私:第7回 「勉強は図書館が閉まるまで。睡眠は8時間」 近藤淳也さん(はてな社長)
・受験と私:第8回 「一番行きたい大学受けて」 あさのあつこさん(作家) - 毎日jp(毎日新聞)
私は高校受験の時も大学受験の時も、受験勉強をはじめたのが2学期の中間テスト終了後でした (表現が学校によって異なるので一応説明すると、中間テストは学期の途中で行われる定期試験です。1学期は5月中旬〜下旬、2学期は10月中旬〜下旬に行われていました)。ですから、時期的には11月でした。よく、3年生の夏休みが云々とか、いや春からはじめないととか、受験勉強を始める時期についていろいろ言われている世の中からすればかなり遅いほうだと思います。
そんな時期からはじめたのも、定期試験を疎かにしたくないから、という理由からでした。かといって受験を疎かにもできません。両者のバランスをとって2学期の中間試験までは定期試験のみに集中していたのです。ただ、12月になると期末試験があり、並行で器用に勉強できるでもなく、直前になると期末試験に集中していましたが。そう考えると当時の私はまじめに取り組んでいたつもりでいましたけど、客観的に見ると言うほどのことはしてなかったのかもしれません。
まぁ、そもそも受験勉強でなにも1日に10時間も20時間も勉強していたわけでもないし、やっていたことそのものは普段定期試験のためにやっていたこととほぼ変わりませんでした。ただ長時間勉強すればいいってものでもないわけで、もちろん物理的に時間がかかってしまうことはあるにしても、大事なことは時間ではなく内容だし、その結果どう身についたか、身についたことをどう使うか、使えるかが大事。いくら長時間勉強しても目的に対して結果が伴わなければその勉強方法は(目的に対して)さして意味は無いことになってしまう。言ってみれば、無駄な時間を過ごしただけ。
……などと偉そうなことを書いておいて、じゃあ自分が今までしてきた勉強方法はすごいのかと言えば、はっきり言って効率がものすごく悪い。それは今だからこそ客観的にそう思っている、のではなく、当時からそう思っていました。そう思っていながらも改善しなかったのは、その方法が自分にしっくりきて、それ以上にしっくりくる他の方法が無かったから。他にいい方法があったら、もっと時間を有効活用できたのだろうなぁ……と思います。
中でも一番効率が悪かったのが、英語ですな。
私が英単語を覚えるためにとった手段は「書き取り」。中学1年の時、どうすれば単語を覚えるかと考えてとった手段でした。当時の私には単語帳の存在は知りませんでしたし、見て読んで暗記というだけでは覚えにくかった。そこで、確実に実績のある手段として選んだのが「書き取り」でした。漢字で実践済みですから。
ノートの左端に1行おきに単語を書いていきます。対象の単語は試験範囲にある全単語のうち、完全に覚えているもの以外すべてです。覚えているかあやしいものも対象です。ちなみに熟語も入れておきます。書き終わったらその場は終了です。
時間をあけます(たとえば1日とか)。
教科書や辞書を見ずに、単語の下に訳を書いていきます。わからなくても気にしない。すべて訳を書き終えたら、答え合わせをします。次に単語の書き取りをします。1行おきに単語を書いているので書き取りは2行ずつです。ただ書き取りをするのではなく、正しい訳と発音(アクセントも)を頭に浮かべながら書き取ります。私は発音を口にしながら書き取ってました。すべて書き取りが終わったら、次回の書き取り用に、新たに単語を左端に書いていきます。その際、訳が正答だったものは、単語ではなく訳を書いておきます。
また時間をあけます(1日〜3日くらいかな)。
教科書や辞書を見ずに、単語の下に訳を書いていきます。訳が書かれている場合は、単語を書いていきます。すべて書き終えたら、答え合わせします。次に単語の書き取りをします。1行おきに単語を(中略)。すべて書き取りが終わったら、次回の書き取りように、新たに単語を左端に書いていきます。その際、訳が正答だったものは、単語ではなく訳を書いておきます。また、単語が正答だったものは、単語も訳も覚えたと判断し、書き取り対象から外します。
……というのを繰り返していきます。これ、単語数が多いと、とんでもない時間がかかります。正直疲れます。腕も痛いです。ただ、書き取り回数が増えるごとにだんだんと書き取り数が減っていくことになるので、試験直前には書き取り単語数はかなり減ってました。自分にとって覚えにくい単語は何度も書き取りすることになりますが、気をつけなければならない単語がそれであることがわかるので、そういう単語こそ単語帳に書いておいていつでも確認できるようにします。なので、私が単語帳を使うとしたら、本当に直前になったタイミングで、しかも使う枚数は数枚。最後のギリギリの短期記憶にかける時のためのもの、かな。実際に単語帳を使ったのは受験の時だけでしたけど。
で、ものすごい時間がかかると書きましたが、試験勉強を開始した直後だと書き取りだけでそれこそ数時間かかってしまいます。その状況では英語の試験勉強はそれだけしかしません。そのかわりだんだんと書き取り数が減っていくと、はじめてそれ以外の勉強をはじめます。それ以外といっても、やることは文法と教科書を読むこと、ですけれども。
教科書を読んで、各文章を日本語に訳していきます。訳そのものは予習段階で済んでますから、合ってるのか間違ってるのかはすぐわかります。結局のところ、学校のテストは教科書を使った問題なので、教科書を読んでおくとテストの時は役立ちました。
中学生の頃だったかな。同級生に英語の勉強はどうやっているのか、と聞かれたことあったので、上に書いたようなことを説明したことがあります。そうしたら「そんなことできない」と言われました。まぁ、私が単語帳による勉強方法がダメだったように、人それぞれ適した勉強方法が違うと思いますし、その人にとってやりやすいやり方をやればいいだけだと思いますから、そういう反応があってもおかしくは無いです。これじゃなきゃダメだというのも無いでしょう(ただ、それなりに結果が伴っている人の勉強方法は、どこか共通点はあると思ってます。今だから思えることですけど)。私の方法は人におすすめできるものでもないし、おすすめしたこともないです。バイトで家庭教師してた時も、こんな風にやってたけど大変だからオススメはしない、と言ってたと記憶してます。
そんなわけで、中学1年からはじまって2回の受験を経て大学での英語および独語まで、こんなやり方で英語を勉強してました。
実は赤本を買ったことが無いです。赤本なる言葉をはじめて耳にしたのは高校3年の頃でした。同級生がそのような言葉を発していたのを覚えています。それまで、そういう「ピンポイントな過去問」を使った学習方法はやったことがなかったので、赤本を買って受験対策するという手段は特に頭には浮かびませんでした。正確にはやったことがないわけじゃないですけれども。参考書などに掲載されている問題は基本的に過去問ですし。当時の私には参考書ならともかく問題集なんて…と、問題オンリーの問題集に特に価値を見出してなかったのが事実です。
さらに、大学でも過去問を使ったことがありません。最近…と言っても数年前ですが、“過去問から出題されるからとにかく過去問を入手せよ”みたいなことがどこかのサイトだかに書かれていて、へー、ってなことを思ったわけです。まぁ、それを読んで、そんなのがあるなら手に入れておけば良かった!! と思うわけでもなく、そんなもんに頼らなくても普通に卒業できるわけだが、と思っただけですけれども。無茶な出題じゃないかぎりは別に無くてもどうにでもなるんでないかい、と。
結局、過去問で構成された問題集を始めて使ったのは、国家試験受ける時でした。さすがに出題傾向とか想定すらできなかったので。実際役に立ったかというと……、うーん……どうなんだろ。それなりに役には立ったのだろうけど。