受験といえば、こんな記事がありました。
→ 勉強時間 中国の半分なのに日本の高校生8割「きつい」 1日8時間 - MSN産経ニュース
簡単にまとめるとこんな感じ。
・日米中韓の主要都市の中高校生約8300人に対して、生活に関する意識調査を実施
・中高生の勉強時間(学校・塾・自宅などすべて含む)は、
日本 平均8時間
韓国 平均10時間
中国 平均14時間
・平成9年調査と比べると、日本の高校生は1時間、中学生は約2時間短くなっていた
・学校の勉強を「きつい」と答えた日本の中高生は、77.2% (4カ国1位、他国は40〜60%)
・就寝時間(午前0時以降)
日本 中学生35%、高校生70%
ほか 中学生10%、高校生20%
・「自分はだめな人間だ」と考えている
日本 中学生 50%、高校生 60%
ほか ?(日本に大きく引き離されている数値らしい)
・調査した財団法人日本青少年研究所のコメント「中韓と比べて、勉強もしていないのに弱音をはいている現在の子供たちの姿がはっきりとみえた。甘えの気持ちが強いのではないか」
これを見て、みんなはどう思うのだろう。今の子供たちはすぐ弱音を吐いて情けないな、とか、他の国に負けてるじゃないか、とか、もっと勉強しろよゆとり世代!!、とかそんな風に思ったりするのでしょうか。確かに数字の上では他国に大きく離されているし、前回調査に比べて下降しているのもわかる。ただ、個人的に問題があると思ったのは、勉強時間が10年前より低下していることではなく、中央下寄りに書いた“自分はダメな人間だ、と考えている”子供たちが妙に多いということ。勉強時間と学力にどの程度の相関関係があるかにもよるけど、X軸に勉強時間、Y軸に学力をとってプロットしていったらどういう相関関係が見えるだろう、という調査はしてないようだ。「勉強時間 学力 相関関係」というキーワードでGoogle先生に聞いてみると、それに近い調査をしているものもあるようだが、成績ごとにグループに分けて勉強時間の割合を提示し、「成績がよいグループは勉強時間が長い子供が多く、そうでないグループは少ない傾向がある」と結論付けているだけだった。
まぁ、統計データだから傾向がわかればそれはそれでいいのだけど、だからと言って単純に時間だけ増やせばいいのかっていうと、それはちょっと違うだろと思うわけですよ。ダイエットやら肥満やらで体重の数値だけを見てあれこれ言ってるのと同じように思えてねぇ。意味はあるけど、なにか違うというか。勉強ってさ、ただ長時間やればいいってもんじゃない。そりゃもちろん、どうしても時間の必要なこともあるし、さすがに8時間と14時間くらい差が出ると、時間なんて関係ないよ!!とは限らないこともわかる。でも、やっぱ、中身も伴わないと。
そもそも勉強時間が10年前より減少しているということが、単に「弱音を吐いている」「甘え」と結論づけるのであれば、この調査は意味がない。“学校の勉強を「きつい」”における“きつい”の真意が見えない(今回無償公開されているのが“概要”だから、完全版の報告書を見たらそのあたりがわかるのかもしれないけど)。つまらないからきついのか、難しいからきついのか、量が多すぎてきついのか、50分拘束されるのがきついのか、イスが硬くてきついのか、全力を出し切っているからきついのか、普段なまけているからきついのか、そのへんがわからない。別に“弱音”“甘え”の結論を否定するつもりは無く、その根拠が明示されてないよ、というだけなんですけれどね。
それでふと思ったのが、勉強に対する意欲が減ってきてることがあげられるのではないかなぁと。概要のほうを見ると、“他の国に比べて自分の能力に信頼や自身が欠けている”となっているけど、だいたい、「自分はダメ人間だ」と考える人が、意欲的に勉強するか? しない、とは言わない。する奴はする。自信がないから自信をつけるために、信頼できないから少しでも自分自身を信頼できるようにやる、そういう奴はいるだろう。ただ全員が全員そうじゃない。きついと感じていて、自分に自信がなくて、これ以上続けてどうなるんだろうと考えて、あきらめちゃう人いるんじゃないかな。経済不況や社会不安を目の当たりにして、自分の将来に絶望しちゃってる人いたりしてな。
私も中学や高校の頃、学校の授業に対してきついか否かを問われたら、きついと答えたと思う。もちろん、そのきついにはいろんな意味が込められてる。でも楽しかったよ。ちなみに高校当時の勉強時間は、概算で6時間。時間が減ったという今回のアンケート結果の平均値を大きく下回るものとなった。そんな当時の私が1日8時間勉強してたら、かなり「キツい」と思ったかもしれないですね。当時の平均勉強時間がどれくらいかわかりませんけど、正規分布の中央からはずれたところにいる1人になるのかな。
まぁ、今回のアンケート的には、弱音とか甘えって言われちゃうんだろうなぁ(笑)
上で書いた時間の算出は結構面倒でしたよ。
まず学校とそれ以外で考える。
▼まずは学校。
学校での授業時間は1時限で50分、最大で月曜〜金曜までが6時限までで、土曜が3時限までだったはず。ということは1週間で
50分×6時限×5日+50分×3時限=1650分=27時間30分
これを1日平均にすると、
27時間30分÷7日=3時間56分
まぁ、約4時間ですな。これが学校の授業による勉強時間。
▼次に家での勉強
たとえば試しに最大時間で計算してみようか。仮に17時から開始して寝るまでの22時までずっと勉強していたとすると、これで5時間。朝起きてからは30分程度しかできないから合計で5時間半。晩御飯と風呂の時間を差し引くと、最大でも4時間半〜5時間というところか。これが最大。実際は時期によってまったく異なるわけで、パターンごとに計算しないときちんとした数字は出ない。
ということで、以下の4パターンについて計算してみる。
・定期試験勉強
・受験勉強
・夏休みと冬休みの宿題
・予習、宿題
・何も無い日
それぞれについて計算してみる。
▼定期試験勉強
まず試験期間の勉強時間。この期間は時期によってバラバラなので、面倒だから最大時間勉強していたと仮定しよう。そんなにやってないけどな。
試験対象となるのは、中間テスト、期末テスト、受験。試験勉強については、中間テストはテスト2週間前から開始、期末テストはテスト4週間前から開始していた。
1年次→中間テスト×2、期末テスト×3で、試験勉強期間は16週間。
2年次→1年次と同じ。16週間。
3年次→中間テスト×2、期末テスト×2で、試験勉強期間は12週間。3学期の期末試験は無かったような気がするので割愛した。
この期間、家で勉強していたのが1日4時間として計算すると、
(16週間×2+12週間)×7日×4時間=1232時間
さらに土日の勉強時間(最大)は、土曜日は+1時間くらい?、日曜日は+2時間くらいとして補正する。
(16週間×2+12週間)×3時間=132時間
これを合計して、1364時間
これが高校3年間の試験勉強に費やした勉強時間。
▼受験勉強
受験勉強は11月から開始して、国立2次試験(2月末)までの17週間。ただし期末試験の4週間がカブるので差し引くと、13週間となる。この期間の勉強時間は試験勉強の時間と同じなので上と同じような計算をする。
13週間×7日×4時間+13週間×3時間=403時間
これが受験勉強に費やした時間。
▼夏休みと冬休みの宿題
次に夏休みおよび冬休みの宿題の期間。夏休みの宿題(のうち工作だの自由研究だの…という受験と関係なさそうなやつ以外)は8月上旬には完了していたはずだから期間としてはだいたい2〜3週というところか。まぁ、3週間というところにしておきますか。宿題をしていたのは、午前中の2時間くらいかな。なので、
3週間×7日×2時間×3年分=126時間
冬休みは、どうだったかよく覚えてないから冬休み2週間すべて2時間使ったと仮定するか。
2週間×7日×2時間×3年分=84時間
よって合計で、210時間
▼予習、宿題、何も無い日
残ってるのは普段の日。普段の日は宿題があれば宿題をやるし、英語の予習をやることもある。予習を進めなくてよければ何もしない。というか何もしないほうが多いような気がする。まぁ、とりあえず平均30分ということにしておきますか。
上であげた週を52週×3年から差し引かないといけないので、
(52週間×3年分-16週間×2-12週間-3週間×3年分-2週間×3年分)×7日×30分=339.5時間
これが普段の日の勉強時間。
▼高校3年間の家での勉強時間
全部足す。
試験勉強 1364時間
受験勉強 403時間
夏・冬休みの宿題 210時間
その他 339.5時間
合計 2316.5時間
これが高校3年間に家で勉強した時間の合計。
これを3年(1095日)で割ると、1日あたりの家での勉強時間が出る。
2316.5時間÷1095日=2時間7分
▼学校と家以外の勉強
塾だの予備校だのは行ったこと無いし、学校で残って何かするとか図書館に行って何かするわけでもないので勉強はこれ以上は無い。
▼高校時代の1日の平均勉強時間は…
学校 3時間56分
家 2時間7分
→ 6時間3分
6時間でした。