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ツッコミ日記 Encylopedia


[宇宙戦艦ヤマト] 宇宙戦艦ヤマト復活篇 試写会 (東京国際フォーラム) [長年日記]

2009年12月16日 22:08更新

宇宙戦艦ヤマト復活篇 試写会 (東京国際フォーラム) に行ってきた

11/28(土)。

東京国際フォーラムで行われた「宇宙戦艦ヤマト復活篇」試写会に行ってきました。

13時からの受付開始で、受付すると座席番号が書かれた紙をもらえます。あとはそれを持って開場する15時に戻ってくればいい、という感じ。延々と並ばされるわけでもないので、楽でした。座席番号自体はランダムなのか順番なのかはわかりませんが、2人が隣同士になるということはそれなりに順番に配っていたのだと思われます。

私自身は19列の19番。中央付近だったので映画を見るにはなかなか良い位置だったと思います。早く来て並んでいた人は最前列付近だったのかもしれませんが、最前列でも中央付近と端とでは座席的な良さが全然違いますからねぇ。がんばって早く並んで端っこになってしまった人もいるのかな。もしそうなら、タイミングというか、運が悪かったとしか言いようがなく……。

そして15時に開場したわけですが、入り口では、チラシなどが入った袋を受け取りました。

中身は、こんな感じ。

宇宙戦艦ヤマト復活篇 試写会グッズ

↑A4サイズの袋、その中に同サイズの二つ折りのパンフ。かなり大きいです。

宇宙戦艦ヤマト復活篇 試写会グッズ

↑ファミリー劇場のちらしと、クレジットカードのちらし。

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↑アルフィーのちらしと、ファクトファイルのちらし、それからラストシーン選択のアンケートのお知らせ。

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↑座席番号と、クルー任命証。それから真っ赤なスカーフ。任命証は、戦闘班でした。真っ赤なスカーフはあれですね、ささきさんが歌うときとCM撮影用にみんなで振るんですね。

そんなこんなで、試写会がはじまり、2時間13分の上映が始まりました。

上映終了後は西崎さんの挨拶があり、一所懸命に話をしていました。言わなきゃいいのに……なことも含めて。そういえば司会は西崎さんの足元がおぼつかないのを、転んで肋骨を折ったことを理由にしていましたが、もともと車椅子生活してるわけだから骨折に関係なく足元はおぼつかないような気がします。

その後、「運命を受け入れる」ほうの上映が行われ、ささきいさおさんが登場し、宇宙戦艦ヤマトと真っ赤なスカーフを熱唱。会場の客は、配られている真っ赤なスカーフを振っていました。歌の後は、マスコミ向けの撮影が行われました。

試写会終了後は、おなじみの、CM用の観客コメント撮影も行われており、参加希望者は列を作ってました。

宇宙戦艦ヤマト復活篇 感想

評価、難しいねぇ。

アニメ映画作品としての評価と、ヤマトシリーズの最新作としての評価ってのはたぶん違うだろうし。

まぁ、あまり気にせず感想を書いてみます。

全体的な評価としては、思ってたよりは悪くなかった、です。

プロモーション映像を見て、期待を物凄く下げていたのが良かったのかもしれません。

話に関しては、詰め込みすぎな印象。いろいろなことを詰め込んでお腹いっぱい過ぎるというのではなく、いろいろやろうとしているのはわかるけど、それらが中途半端な状態になっているという意味で。2時間半〜3時間くらいの作品を2時間13分にした結果、こんなことになっちゃいましたという印象が拭えませんでした。なんの説明も脈絡も伏線もない状態でどんどん先に進んでいくから、見てて、いくらなんでもこれは都合よすぎ、無理やりすぎ、なんてことを感じてしまい、すごく薄っぺらい物語に感じてしまいました。別にご都合主義がダメだとは言わないのです。今までだってそういうことありましたし、ヤマトに限った話でもないですから。ただ、それでも納得させるものが欲しいのだけど、それが無かったんですよね。もうちょっと話を整理して、筋道たててあげれば、同じ話でももっと面白くなるような気がします。

それから、アマールに移住するのはいいけど、いきなり移住先としてアマールが出てくるし、そもそもアマールって何だよって話。そこは誰もいない未開の地なのか? 先住民がいるのか? 先住民がいるとしたらそもそも許可はあるのか、など根本的なところがバッサリ抜けて、いきなりアマール移住という話になってる。冒頭からの、観客の突き放しがもの凄い。やっとアマールのことが出てくるのが中盤以降。そこでやっと、アマールに人がいて、地球からの移住を歓迎してくれてることがわかる。最初のほうでアマールとのやりとりを数秒入れるだけでも全然違うと思うのだけれども。

そもそも移住の原因は、巨大な移動性ブラックホールが地球を飲み込んでしまうからというもの。ふとヤマトIIIを思い出します。あれは移住先を見つけるというのが目的だから若干状況が違いますが、移住しか人類を救う手段が無いという点では同じ。それ自体は別にいいのだけれど。ただ、「さまざまな可能性を検討したが、現在の地球の科学力では不可能」という結論に至っておきながら、最後の最後でブラックホールは実は異次元の人たちの仕業で人工的なものでした、ヤマトの波動砲でブラックホールを撃破しました、というのはいかがなものかと思いました。それだと、地球防衛軍はきちんと調査をせずに無理と判断したのか? と映画を見てて思ってしまったんですね。地球に残った佐渡先生や真田さんの地球への想い・愛が、ものすごく安っぽいものに感じてしまって興ざめ。本当にどうしようもなくて、苦渋の決断をしたという状況にしないといかんのではないだろうか。

それと、古代がヤマトの艦長になることを承諾するシーン。いきなり議場みたいなところに場面転換するから、なんじゃこりゃって思いました。どう考えても、そこに至る過程があったのを、尺の関係でバッサリ切ったのだろうけど、もうちょっとうまい編集できなかったのか疑問でした。他に無駄だろうと思うシーンを削れば、他の変な部分を補完できるだろうに、と思ったり。

特攻については、ゴルイ提督、パスカル将軍、大村副艦長とありましたけど、副艦長はまだいいんだけどね。一応ヤマトの人間だし、活路を開くためだから。ただ、パスカルもヤマトを守るためという理由は一応あるにしても、そもそも身を挺してまでヤマトを守る理由がわからない。アマールの将軍が、そこまでヤマトに何かを託すのはなぜなのか。それに、安易に死なせてお涙頂戴よりも、ボロボロになりながらもヤマトを守り、後をまかせるというような演出のほうが良かったのではないかと思ったりもする。しかし、一番、理解に苦しんだのはゴルイ提督でした。ヤマトとの戦いをへて士道精神を思い出し、SUSに反旗を翻したまではいいけど、メッツラーの戦艦に特攻かます理由がわからない。真っ向勝負では勝てないから相打ちでも狙いましたか。それとも今までの自分たちの行動を恥じて、敵を倒して自らも死ぬことでプライドを保ちましたか。それともあれですか。古代守のオマージュですか。

お涙頂戴は嫌いじゃないです。ただ、涙を流すには共感が必要です。キャラクターが死ねばいいってもんじゃありません。

キャラクターの魅力の無さもどうにかならないものかと思いました。見た目がどうとか、そういう問題でもないのです。キャラはいろいろ出てくるのに、ほとんどが出落ちで終わっているのが気になりました。パイロットな女医さんや、双子の整備士とか、使いようによっては面白そうなキャラなのに作品の中で全然生かされてない。古代ですら、娘との確執という親子の立場、行方不明の妻という夫婦の立場、謎の敵がいる中で移民船団護衛の任務を任される立場、新たなクルーの下でヤマトの艦長をつとめる立場、といろいろと複雑な立場にいながら、そんな面白そうな状況でありながら、作品であまりそれが生かされてない。だったら、はじめからできないことはやらなきゃいいのに、ちょこっと見せては中途半端にしてしまってるのがいただけない。

終盤、古代が、人工太陽をエネルギー供給装置と見破って波動砲を撃つのはいいのだけれど、もうちょっと伏線でも張っておけばいいものを、あまりにも唐突すぎるから見てて笑うしか無かったです。こういう唐突なのが多いのが今作の特徴なのかな。

笑ったといえば、ラスボスの潜宙戦艦。音楽に合わせて出たり入ったりするのはいいんだけど、その様子があまりにも滑稽で、攻撃が凄いとか戦艦が凄いとか、そういうの通り越して、「誰だよ、こんな馬鹿なこと考えたの」って感じでした。中央部分から物凄い砲撃するとか、羽みたいな奴がヤマトを挟み込んで絨毯爆撃するとか、そのあたりは良かったのですけれど、あの潜って出ての“もぐら叩き”状態がどうにも笑わずにはいられないのが困りました。笑いをこらえるのに必死でしたよ。よくよく考えると、あの戦艦って、アニメというより、シューティングゲームのボスっぽい動きですね。シューティングゲームだったら良かったのにねぇ。でも、これ、アニメなのよね。

CGに関しては、「お。いいじゃない、これ」という感想。プロモーション見たときは微妙な印象でしたが、全体を通してみると、結構いい。ちゃんと重さを感じるし、チープでもなんでもない。艦載機の動きに、何かの違和感があったくらい。目の肥えた人からすれば、ウンコ扱いかもしれないけど、私は十分楽しめました。ただ、戦闘シーンが多すぎるように思えました。序盤の襲撃、序盤で古代がブルーノアで戦うところ、第三次移民船団が襲撃されるところ、アマール、最終戦。さすがに最終戦あたりは飽きてました。逆に人がからむところが物足りなかったので、戦闘シーンはもう少し減らしてもよかったのではないかと思います。

キャラ絵に関しては、これは、もう、好み…なのだろうと思うけど、個人的には残念極まりない印象。なんていうか、懐かしい昭和の匂い。70年代テイストを味わってくださいって感じなのが、どうも……。別に萌え絵にしろというわけではないですが、美雪とか大村さんあたりは良かっただけにそれ以外がどうもなんかバタ臭い感じが。口とか富士山みたいで、入れ歯が落ちないようにがんばってる感じというか、梅干の種を味わってますって感じというか、ひょっとこというか、なんというか。序盤と終盤で真田さんの顔が微妙に違うのは原画を描いた人が違うからでいいのかな。

ラストで敵の異次元人が出てきて、移動性ブラックホールが自分らの仕掛けたものだ、と告げるシーンがある。それ自体は別にいいんだ。そういう、目的達成寸前になって喜び勇んで真実をしゃべってしまうのはよくあるパターンだから。ただねぇ、それで事実を知った古代が波動砲で破壊するんだけど、それでよいのか? と思った。地球が救われてよかったね、ハッピーエンド、で終わるのもいいんだけど、それだと、続きはどうするのって思う。一応今回は「第一部 完」なわけだし。そのままブラックホール(もどき)に飲み込まれて、地球が異次元世界に行ってしまう方が続きも作りやすいんじゃないかと思うんだけどねぇ。それでそのまま地球が敵側になっちゃったりしたら面白そうじゃない。第二部でヤマトVS真田とか。第三部でヤマトVSユキとか。

ラストの異次元人といえば、ヤマトもそういう方向に行くんだ、と思いました。私は別にかまいませんし、新たなヤマトを構築するという意味ではありかなと思いますけど、中にはそういう方向性に否定的な人もいるんじゃないかなと思っていたので。

さて、最後に、もう1つの「運命を受け入れる」エンディングですが、これ正直なところやっつけ仕事的な出来でした。見ると手抜きっぷりにガッカリします。もう1つのほうを選ばせる気はもともと無いだろ、って突っ込みたくなるほどの代物です。投票で決めるという話題性だけが欲しくてやったんだろうなぁというか。

内容自体は、佐渡先生の語りのシーンからはじまり、動物のシーンもそのまま同じ。最後の移民船団が地球さよならと叫ぶのも同じ。ヤマトの艦内で古代が語るのも同じ。で、何が違うかというと、古代が語った後に、ブラックホールが地球を飲みこ……くらいまで見せて、そこで終わり。

飲み込まれちゃうところまでは見せてないような感じです。なので、地球が飲み込まれるにしても、展開があまりにもあっさりというか、「運命に抗う」ほうに比べると、「え?これで終わり?これだと劣化エンディングじゃない……」なんてことを思ったりしたわけです。運命に抗うとか、運命に従うとか、そういうことを比較して選ぶ以前の問題でした。もうちょっと、選択に困るものが良かったのだけれど、まぁ、広告代理店の手のひらってことですかねぇ。

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