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ツッコミ日記 Encylopedia


[アニメ] 映画「HUNTER×HUNTER 緋色の幻影(ファントムルージュ)」を見た [長年日記]

2013年03月10日 10:08更新

映画「HUNTER×HUNTER 緋色の幻影(ファントムルージュ)」を見た

2013/01/12(土)

映画「HUNTER×HUNTER 緋色の幻影(ファントムルージュ)」を見た。

率直な感想を書かせてもらうと、

・原作を読んだことがなく、今やってるテレビアニメしか見たことない人はたぶん楽しめる

・原作もテレビアニメも見たことがない新規のお客様は楽しめるかもしれない

・それ以外の既存のお客様に関しては、1800円で第0巻を買ったらオマケで映画を見れたくらいに考えてるといいかも

さて、見事に宇宙戦艦ヤマト2199の上映開始日とカブってしまったHUNTER×HUNTER。ヤマトは午後からの舞台挨拶回にしたので午前1回目のHUNTER×HUNTERを見ることにした。もっとも、目的は来場者に配られる「第0巻」をもらうためであり、映画本編に対しては全く期待していなかった。

今回の映画は、基本的にアニメスタッフによるオリジナルストーリーである。最初にできた脚本を編集部に持っていったら、担当編集から「こんなのあるよ」と出てきたのが、あの「クラピカ追憶編」のネームだったという。そこで、それを組み込む形で出来上がったのが今回の映画となった。つまり、作者が映画のストーリーに関与したのは、クラピカ追憶編のネームに関してのみということになる。

以下、気になったことを感想まじえて書いてみる。

▼CMについて:クラピカについて

この映画のテレビCMで

「劇場版の主役がいかにもクラピカっぽく宣伝されている」

のだが、この劇場版の主人公はキルアだ。

……というか、ストーリー自体も「キルアのゴンに対する裏切り行為と後ろめたい思い」をベースにしたものになっている。そのあたりは、ハンター試験でのイルミのやりとりや、キメラアント編の一連の話を劇場版用に焼き直しただけとしか思えない。すでにやったことと、これからやることをわざわざ劇場版でやるというのも、アニメスタッフがこの作品を通じて何を表現したいのかが皆目見当がつかなかった。せめて、今回のテーマで作品を作りたいなら、表現を変えるべきであるのだが、そのあたりの工夫は感じられなかった。

例えば原作ではゴンを客観的評価した人物が4人いる(ウィング、ゼパイル、ビスケ、カイト)のだが、それぞれ言い方が異なる。みな、同じことを言っているのだが、しつこくならないようになっている。そしてそれら伏線がキメラアント編のゴンにつながっている。残念ながら、この劇場作品ではそういうのを一切感じることができなかった。とにかく既視感が凄い。

じゃあキルアの葛藤をこの映画から 無くしたら何が残るかというと、何も残らなくなってしまう。まぁ、何も…というのは言い過ぎかもしれないが。

ちなみに、クラピカは追憶編部分を除けば、最初と終りのほうに登場してちょろっと活躍するだけの存在です。

ついでにCMでは本編で使われていないシーンが2つあった。クラピカがダウジングチェーンを失敗するシーンと、レオリオが絶壁を駆け下りるシーン。カットされたシーンだろうか。

▼CMについて:旅団について

「クモのケリはクモがつける!」

原作ではあまりいいところが無いノブナガさんのセリフがCMでいい味出していまして、いかにも幻影旅団がバリバリ出てきそうな雰囲気を醸し出していますが、残念ながら旅団はたいして登場してません。

むしろ、

「お前ら今まで何してた?」

って突っ込みたくなるレベルです。

▼冒頭にハンサイクロペディアを持ってきていたこと

冒頭にいきなり登場人物紹介を始めたのだが、おそらく一見さん用だろうか。

名探偵コナン劇場版のアレだと思えばいいのか。

気にしたら負けな気がしてきた。

▼冒頭がおホモだち展開なのだが

冒頭にゴンとキルアのやりとりがあるのだが、おホモだち臭さで充満しているうえ、それがしつこく続く。

そのやりとりに注意に来る乗務員が、挙句の果てに、パームの顔みたくなるという一芸付きだった。

「お前ら、これ出しておけば喜ぶんだろ?」

的に感じてしまい、素直に喜べない。特にスタッフロールにはパームと出ていなかったので単なるスタッフのお遊びっぽい。カイトやらジンやらいろいろとゲストキャラがモブで出てくるけど、あまり必然性を感じなかったなぁ……。

▼キルアの暗殺シーン

冒頭にキルアが過去にやった暗殺のシーンがある。

それ自体は見ごたえあるものではあるが、そのあとがどうも腑に落ちない。

私の記憶が正しければ、暗殺シーンは夜で雨が降っていたはずなのだが、街中で雨の中、子供たちがサッカーしてるんだよね。それって普通なのかな。キルアとイルミのやり取りをやりたくて無理やりそういう子供たちを登場させただけに感じてしまったのだが……。

▼ウヴォーギンが登場するのだが……

ゴンとキルアの前に、死んだはずのウヴォーギンが登場します。

敵である「オモカゲ」の念能力で造られた人形です。生前の記憶を持っており、オモカゲの命令に絶対服従であることを除けば行動は自由だし、念能力も使用可能というとんでもない性能を持った人形です。この年能力は作った時点では人形に目がありませんが、目を入れることにより人形の性能が格段にアップします。ウヴォーギンは登場時点で目があったので自身の死体から目を入れたのでしょう。ノブナガもそのようなことを言っていました。死体からなら腐る前なら大丈夫なんですかね。まぁ、気にしたら負けかな。

ちなみにパイロはクラピカの目が入れられており、レツはオモカゲの目が入っています。

さて、仮に自身の死体から目をとったとすれば、ウヴォーギンの死に場所はクラピカしか知らないはずですが、

「どうやって死体のありかを知ったのか」

は突っ込んじゃいけない点でしょうか。たぶん、ウヴォーギン自身が知ってたとかそういうことだろうとは思いますが。

やっぱ気にしたら負けかな。

▼ウヴォーギンが登場するのだが……その2

その再登場したウヴォーギンとゴン&キルアが戦うことになるわけですが、

困ったことに幻影旅団のメンバーであるウヴォーギン相手に、まっとうな戦いをすべく相手の攻撃をまともに防御するという愚策を取ります。結果的に防御できたからいいものの、少なくとも旅団メンバーがまっとうに戦って自分たちでどうにかなる相手ではないことは二人はすでにわかっているはず。アニメスタッフが二人にあえてそういう行動をとらせた意図がさっぱりわからない。

まぁ、ゴンに関しては、思いついたことを試したいという気持ちを抑えられないというシーンがグリードアイランド編で描かれていますから、好戦的になるのはわからないでもないですが、彼は(テンパってない限り)動物的直観で最悪は素直に回避します。それは、ゾルディック家の一件できちんと描かれているところです。キルアは当然ながら無謀なことはしない。

それともあれですか、人形は(本体より)弱いという伏線だったりするのだろうか。

あれですよね、「キルアの葛藤」をやりたいがための戦闘ではないですよね。いくらなんでも。

そういえば、ウヴォーギンの攻撃を防御するために「硬」のようなことをしていたけど、作品の時系列はどうなっているのだろう。

やっぱ気にしたら負けかな。

▼念能力者のバーゲンセールや〜

最後、オモカゲの屋敷での戦いは、

ゴン、キルア、クラピカ、レオリオ

に対して、

オモカゲ+イルミ人形+旅団メンバー人形+陰獣メンバー人形

って感じでどんどんキャラを出してきて、

念能力者のバーゲンセールや〜

って感じだった。こういうのは簡単に盛り上げられる反面、やりすぎると安っぽく見えるから難しいとは思うけど、とりあえず、なぜ陰獣を出したのか……。

▼目が見えなくても戦える

クラピカとゴンは、オモカゲの念能力により目を奪われている。

目が見えない状態なのだが、まるで目が見えているかのように普通に戦っているのが不思議だった。とまどうとか、無いんだよなぁ。ゴンにいたっては、逃げたキルアを追いかけ、電車で自殺しようとしているギリギリのところを捕まえて助けるという荒業までやっている。

他にも人形のイルミなども普通に見えているかのように(ry

気にしたら負けなのだろうか。

▼旅団がそれまで何してたか想像しちゃダメですか

オモカゲが年能力で作り出した人形の団長が「インドアフィッシュ」を使ってます。

あの能力は使用する場所が「密室である」ことが発動条件なので、少なくとも彼らが戦っていた場所は密室です。

その後、ヒソカが登場します。

くどいようですが、そこは密室です。

つまり、彼が画面に登場するまで、旅団メンバーとヒソカはその部屋の中のどこかで身をひそめていたってことになります。

ま、ヒソカらしいっちゃ、ヒソカらしいが。

その後、最後の最後になって旅団メンバー(本物)が登場するのだが、最後おいしいところ持って行ったくらいの感想しか残ってない。それよりも確か

「クモのケリはクモがつける!」

んでしたよね、ノブナガさん。

冒頭にも書きましたけど、

「お前ら今まで何してた?」

▼旅団メンバーとみなす(笑)

この劇場版ではクラピカがオモカゲに対してチェーンジェイルを使用する。

チェーンジェイルという能力の使用条件として「相手が旅団メンバーであること」があり、これは「誓約と制約」によるものだ。これに反する形で使用した場合は、クラピカが自身にかけた「ジャッジメントチェーン」により死亡する。HUNTER×HUNTERにおける念能力の「制約と誓約」はその内容が厳しいものほど念能力の強さが増すのだが、クラピカ自身は、「旅団メンバーにしか使わない」だけではなく「それ以外に使ったら死ぬ」ことにしたことで今の能力を得ている。

オモカゲは、「元」旅団メンバーである。あくまで元でありメンバーではない。しかし、まだ、なぜか4というナンバーをつけている。そこでクラピカは4という番号がついてることを理由に「旅団メンバーとみなす」という謎理論でチェーンジェイルを使用し、「制約と誓約」を回避している。

いや、その程度で回避できるなら苦労しないよ。

監督や脚本家が、他にいい方法が思いつかないから苦肉の策を取ったって言ってるようなものに思える。

▼絶でも能力使えるオモカゲさん

チェーンジェイルで束縛されてしまったオモカゲさん。ところが、絶の状態であるにも関わらず、妹であるレツが普通に登場していた。

本物のレツはすでに死亡している。作中に登場するレツはオモカゲが自身の念能力で作った人形だ。作中の描写でオモカゲが作った人形は何もないところから出現したり、突然消えたりするので、操作系ではなく具現化系の能力なのだろう。具現化系の能力はオーラにより何らかの物体を作り出すことができる。オーラの供給が絶たれれば、消える(ただし若干例外あり)。

そしてチェーンジェイルの能力は、「相手を強制的に絶の状態にする」ことだ。絶とはオーラを一切出していない状態で、念能力はオーラによって成立しているため、絶の状態になると使えなくなる。

レツは念能力で作られた人形であるにも関わらず、オモカゲが絶状態でも普通に動いていたことになる。

もっとも、能力者が死んでから発動するタイプの念能力も存在するので、絶状態でも発動可能なものがあっても、不思議では無いのだが……。

▼ジャッジメントチェーン使わずにルールを強いるクラピカさん

それから、ジャッジメントチェーンを使う前に、オモカゲに対してルールを定めようとしてるね。

本来なら、ジャッジメントチェーンを使った状態で相手にルールを強いるのではないかと。

クラピカにオモカゲを殺させないという展開のために仕方なくやったことにしか思えない。

▼映画第2弾、始動!!

エンドロール後、ネテロ会長が描かれた1枚絵とともに映画第2弾の予告が。

会長使って何するんだろ。

正拳突き1万回を忠実にアニメ化だろうか。

▼文句ばっかりで、何かいいところは無かったのか?

以下の2点のみ。

・冒頭のキルアの暗殺シーン(暗殺部分のみ)

・パイロの最後のセリフ

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